厚生労働省は「年収の壁・支援強化パッケージ」を決定しました。
そもそも「年収の壁」とは？
主にパートやアルバイトとして働く方の年収が一定額を超えると、社会保険料等の負担が増加し、結果として手取り額が減ってしまうことになってしまうことがあります。この手取りが逆転することになる年収のことを「年収の壁」といいます。
「もっと働きたい」という意欲があっても、年収の壁を越えて手取りが減らないように就業時間を調整しよう、という動機付けになります。
働いた方が手取りの収入が減るんだから、当然のことでしょう。
この「年収の壁」には主に2つのパターンがあります。
106万円の壁
年収106万円以上となることで、厚生年金・健康保険に加入するため、保険料負担を避け、就業調整してしまう。
130万円の壁
年収130万円以上となることで、国民年金・国民健康保険に加入するため、保険料負担を避け、就業してしまう。
年収の壁・支援強化パッケージとは？
人手不足への対応が急務となる中、パート・アルバイトで働く方が「年収の壁」を意識せずに働ける環境づくりを後押しするための支援策が講じられることとなりました。当面の対応として主に次のような制度が設けられます。
106万円の壁対策
1．キャリアアップ助成金のコースの新設
賃上げや所定労働時間の延長といった労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対して、労働者１人当たり最大50万円の支援を行われます。
なお、実施に当たり、支給申請の事務の簡素化が図られます。
2．社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
社会保険料の負担軽減のため、社会保険適用促進手当を支給した場合、その手当は社会保険料の算定対象外となります。
130万円の壁対策
1．事業主の証明による被扶養者認定の円滑化
繁忙期に労働時間を延長するなど、収入が一時的にあがったとしても、事業主がその旨を証明すれば、被扶養者認定が可能となります。
これらは当面の対応と位置づけられていますので、今後、新たな取り組みが講じられることでしょう。
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